似た者同士

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龍一:「今日はこれぐらいでいいか。」 桃胡:「ありがとうございました!」 指導を一区切りつけて終わらせたもぐら。 あまりいっぺんに教えようとしても大変だ。 真琴:「しかし、トーコちゃんがフェイント覚えただけでも、かなり強くなるね。」 龍一:「いや、フェイントも知らないで全国大会2位とか有り得ないだろ。 力任せが通用できるくらい、他の奴らとの実力差があったんだな。 亜衣もそれくらい教えてやったらいいのに…。」 真琴:「いや、もぐらさん。 あいつかばうつもりじゃないけど、桃胡ちゃんの成長が早すぎて、満足に教えてやれないって悔やんでたんですよ。 他の部員の指導もあるだろうし。」 龍一:「そうか。出来のいい子ほど、構われないもんだからな…。 お前、亜衣からそれだけ認められてたんだな。」 桃胡:「せんせー…。今すぐ抱き締めてやりたい!」 龍一:「ふっ、残念だったな…。 アイは今出張だからな…。 お前禁断症状出てないか?3日も会ってないだろ?」 桃胡:「あれ?そういえば、3日目ぐらいから『せんせー逢いたい症候群』が発症するのに…。 おかしいな…。」 首をひねる桃胡。 そんな桃胡をみて二人は…。 龍一:「重症 だな。」 真琴:「重症 だね。」 真琴:「かくいう僕も、もぐらさんに2日逢えないと呼吸困難に陥る」 龍一:「そのまま入院したらいいのに。」 ため息をつきながら悪態をつくもぐら。 それに対して桃胡は…。 桃胡:「やっぱりお兄さん、同性愛極めてますね。さすがです。」 真琴を尊敬のまなざしで見つめる。 真琴:「いやあ、僕はまだまだだよ。 1日もぐらさんと離れてても平気なぐらいじゃあ、愛が足りない。 もっと精進しないと。」 桃胡:「その姿勢、感服します! すてきで…コホン」 言いかけて俯くトーコ。 歴戦をくぐり抜けたもぐらがそれを見逃す筈が無かった。 指導の初めごろに感じた違和感、この二人のよそよそしい態度。 そして今の桃胡の言動。 なにかあるともぐらはにらんだ。
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