似た者同士

6/6
前へ
/6ページ
次へ
龍一:「桃胡は家事やってんのか?」 もぐらが訊ねる。 桃胡:「料理ぐらいですけどね。お母さんとおばあちゃんと一緒に作りますよ。 それに、元々料理は趣味でしたから。 特にお菓子作りは大好きですね。」 屈託のない笑顔で答える桃胡。 龍一:「お菓子作り…。」 真琴:「やっぱり和菓子が得意なの?」 桃胡:「やっぱりって何なのか分からないですけど…、 一応和菓子も作りますけど、得意なのはケーキとかクッキーですよ? プリンとかはよく作ってますね。」 龍一&真琴:「…」 意外な趣味に驚く男二人。 女侍みたいな女の子が作るプリンってどんなのか想像がつかない。 抹茶プリンとか? 真琴:「家庭的なんだね。」 桃胡:「そんなことはないんですけど…。 でも、せんせーにもいろいろ作ってあげたいです。 たまにクッキーをプレゼントしてましたけど。」 真琴:「あ、たまにあいつがもらってくるクッキーって…。 めちゃくちゃおいしかったよ!!」 桃胡:「本当ですか!? せんせーと二人で食べてるんですか?」 真琴:「うん。亜衣も喜んで食べてた。 どんな子が作ってるのかと思ったら、キミだったんだね。 いつもありがとう。」 桃胡:「いえ、そんな…。」 少し照れたトーコ。 桃胡:「あのー。 お兄さんは、甘いもの好きですか?」 真琴:「僕は甘いもの好きだよ。糖分は脳の疲れを取ってくれるし。」 桃胡:「よ、良かったら…。 今度からはお兄さんにもクッキーとか作っていいですか?」 俯きながら、遠慮がちに言う桃胡。 真琴:「え?あ ありがとう…。 なんか悪いね。」 桃胡:「いやそんな悪いだなんて…。 作りたくて作るのだし…。」 龍一:(なんか俺邪魔?) 真琴も料理は好きな方だったので、ケーキ作りで話が盛り上がった。 もぐらは二人の会話をただ黙って聞いていた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加