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誘われるままに付いて行った綾乃の部屋。
綺麗に彩られた指先で触れながら、綾乃が囁く。
「男の子に、私の代わりは出来ないのよ…? 」
この想いは間違っていると、打ち消すように何人もの男の子と付き合っていたことなど綾乃にはお見通しだった。
何度も重ねる口唇が、だんだんに深くなり、湿度が増した部屋には夜の帳が落ちて、闇が二人を覆ってゆく。
「……このまま全部、夜に……溶けちゃいたい 」
切なげに零した言葉に、綾乃がクスリ…と笑う。
「駄目よ、環… 」
環が潤む瞳をうっすらと開けると、綾乃が月明かりに照らされて妖艶に微笑んでいた。
「見てみて……? 」
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