走れ、俺

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「俺らの、だろ」 ふ、と。 その言葉を吐き出した瞬間 胸が熱く、沸き立つ感情が喉元まできた ああ、そうだ 俺の子、って事は――美紗緒の腹の中には 俺の遺伝子が、命を息吹いて存在してる、って事なんだ 強気なわりには、口数のすくない親父は、そんな俺達のやり取りを黙って見つめていた 「出直してくれよ、俺。後で話しに帰るから」 親父と話すまえにまず――美紗緒と 美紗緒から、聞きたい事が山ほどある。 ……俺が、言わなきゃいけないことも。 ――つづく
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