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「これで、おしまい」
最後の本を棚に戻したミウが、壁にもたれる私の隣に同じようにもたれた。
「お疲れ様」
「・・・うん」
私よりほんの少し背の高いミウを見上げたらその先にはさっきの唇。
「・・・」
どうしていつもその唇が気になるのかな。
目鼻立ちがはっきりしているミウと、なんにも特徴のない顔の私とは違いすぎるからかしら
「すず・・・」
ゆっくりと私を見つめたミウの瞳がゆらりと揺れたと思った
刹那
自分の唇に、さっきまで見つめていたふっくら艶やかな唇が重なって
蜂蜜リップの甘い香りが鼻をかすめる。
そして、ほんの少し開けられた唇の間から、柑橘系の小さな何がか私の口の中に転がった
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