第9楽章 英雄ポロネーズ

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結局今も昔も、こんな生き方しかできないのだ、私という人間は。 この生き様が、私には合っているのだろう。 有村の言う通り、私は社会で上手く生きていくことはできないだろうし、今さら真面目に働くことなんて想像すらできない。 私が仕事をする? 好きでもないことをずっと?  何の為に? 生きるため? 嫌いなことをやり続けなければ生きていけないのならば、生きている価値なんてあるのだろうか。 有村は嫌いだ。 でも、その分自由があって、好きな絵を好きなように描いていられる。 有村の人間性はどうしようもない奴だけど、教わることは沢山ある。 この生き方が好きかと言われたら、好きではないし、このままじゃいけないとも思うけれど、じゃあどうすればいいのか考えても、答えは出ない。 誰も教えてくれないし、まず相談する相手さえいない。 結局私は堕ちるとこまで堕ちて、もう心底嫌だと思ったら、這い上がる努力を怠って死ぬのだろう。 私の絵が高値で取引されるくらい成功したら、また変わるのかもしれないけれど、成功者なんてほんの一握りだ。 例え成功したとしても、絵をひたすら描いていればいいだけではない。 絵を売るには煩わしい人間関係が木の枝のように広がって、描きたくもない絵を描かなければいけない時もあるだろう。
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