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洵が精神的に弱いわけじゃない。
感受性を極限にまで引き上げて没頭し続けていれば、不安定にならない方が難しい。
洵は震える長い指先を持ち上げて、私の腰をぎゅっと掴んだ。
私の香りを吸い込むように大きく深呼吸しながら、私の身体を引き寄せるように強く抱き寄せた。
洵は何かに怯えるような瞳で私を見上げ、大きな手の平を私の頬に這わせた。
そして、その手の平を私の後頭部まで持っていくと、ぐいと引き寄せて唇を重ねた。
むさぼるようなキスだった。
舌が絡み合って、唇を吸い上げられるような情熱的で激しいキス。
何度も向きを変えながら、一心不乱に唇を求め合った。
「んっ…あっ……」
思わず声が零れ落ちる。
洵の柔らかい唇も、縦横無尽に動く舌先も、溢れ出る唾液さえ、全てが愛おしかった。
全てが欲しかった。
洵の指先が、私の身体を撫で上げる。
背中を愛撫され、胸を下から揉み上げるように掴まれた。
身体に電流が走ったかのように、爪先から頭の先まで一気に快感が駆け上がる。
その間も、啄むようなキスをしたり、口の奥深くを舌が動き回ったりしていた。
頭が真っ白になって何も考えることができない。
このまま全てを奪われたい。
そう思った時だった。
「駄目だ」
洵が突然冷静な顔になって、私を突き放した。
さっきまで熱いキスを繰り返していたのに、どうして。
冷静な顔がひどく薄情に見えた。
「どうして?」
私は懇願するように身体を押し付ける。
この火照った身体はどうすればいいの。
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