第19楽章 ノクターン第20番

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洵から何の音沙汰もないまま数か月が過ぎた。 私は1Kのアパートに引っ越し生活している。 新しい環境で、新しい気持ちで再スタートしたのだけれど、なかなか上手くはいかなかった。 何の資格もスキルもなく、社会人経験も乏しい私を雇ってくれる企業はなかった。 ゆっくり就職活動できるほどの金銭的余裕もなく、正社員を諦め派遣登録するも、紹介されるのは未経験歓迎のデータ入力かテレフォンアポインターやオペレーターのみ。 未経験歓迎の一般事務の仕事は競争率が激しくて断念せざるを得なかった。 パソコンが得意なわけでもなかった私は、テレフォンオペレーターの仕事をすることにしたのだが、そこで働く人達はなかなか癖のある人が多かった。 人間関係は最悪で、電話に出る度客から怒鳴られる日々。 「私のせいじゃないのに、なんで私が怒られなきゃいけないの」と鬱憤とストレスが溜まり、ついには爆発して客に逆切れしてクビになった。  紹介してくれた派遣会社からは登録を抹消され、仕方なくフリーターになるかとバイトを探すものの、バイトでは時給が低すぎて暮らしに不安が残るため、仕方なく時給の高いパチンコ店で働くことにした。  鼓膜が破れそうなくらいの大音量のBGMに、たち込める煙草の煙。 高性能の換気扇があるとはいえ、それでも追い付かないくらい皆が煙草を吸っている。  おっさんや若いお兄ちゃんにナンパされることはしょっちゅうで、通りすぎる際にお尻を触られぶち切れたことや、寝坊して遅刻したりすることもあるが、なぜか店長に気に入られてるようで、クビになることなく一応続いている。
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