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しかし、その一方で突然気分が沈み込むこともあった。
自分でも、この気持ちの正体がなんなのか分からないので、なかなか気分を変えることができなかった。
私は一体何をしているのだろうと、思索にふけることが多くなり、突然意味もなく叫びだしたくなったりもした。
ただ普通に生活しているだけなのに、全てが嫌になって一人で泣き出すこともあった。
情緒不安定な時期が続き、眠れぬ夜が続いた。
そんな時、珍しく早めに睡魔がひたひたと寄ってきて、眠りに落ちようとしていた際、普段滅多に鳴らない着信が大きな音を立てて私を無理やり目覚めさせた。
ディスプレイには優馬と表示されていた。
「はい」
「あ~良かった。起きてたのね」
「寝てたけど……なんで私の番号知ってるの?」
「あんたが酔っぱらって勝手に番号交換したんでしょうよ!」
「ああ、そうだったっけ。で、何よこんな時間に」
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