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『よぉ。』
「暇人ですねぇデスク。…職業は分かりましたか?」
『今調べてるよ。11時までにはPCに送る。』
「ありがとうございます。助かります。」
『それで?調子はどうだ?』
「…ちょっとだけ進展が。」
『なんだ?』
そこまで言ってハッ!と気付く。
あの男、自分の存在を隠したい行動ばかり取っていた。
夜に行動し、道ではなく山中を歩き、傷が重症だろうが銃痕という問題だろうが病院も警察も拒否。
「…既に怪奇現象がありました。靴跡が。」
『マジか。一日だぞ?早いな。気を付けろ。』
「はい。警戒して続けます。」
携帯を切ると、急いで高速に乗り隣の県に車を走らせた。
1ヶ月前、[末期癌患者の生活]という特集記事を任せられたとき、仲良くなったおばあちゃん。
今でも連絡を取り合っていて、自宅療養中の見舞いにも足を運んでいた。
「おばあちゃん!元気そうだね!」
「香子ちゃん、いらっしゃい。」
「この前来たときに話したパンプキンパイ持ってきたの。一緒に食べよう?」
「まぁ!ありがとう。今、お茶煎れるわ。」
(……ゴメン。おばあちゃん)
キッチンに向かったおばあちゃんを確認すると、ベッドルームに足を入れる。
ピルケースから大量にあるうちの2錠薬を手に取ると、それを小さなビニールに入れる。
「本当に美味しいわ。いつもありがとう。」
「ううん。また美味しいもの見付けたら持ってくるね。」
そして、急いで高速に乗って、来た道を戻る。
高速を降りると、見付けたドラッグストアに立ち寄り、消毒液、ガーゼ、テープを大量に買い、カミソリ、薬も手に入れる。
メンズの服を数着、下着も数着を購入して買い物終了。
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