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それから一時すると、死んだように眠り始めた川崎。 それを見て、散らかった部屋を片付け、血の付いたものは煮沸消毒し、カミソリはティッシュに包んでごみ箱に。 すべて終わらせて、もう一度シャワーを浴びた。 上がると直ぐにベッドに向かい、額に手を当てる。 (…微熱…許容範囲だな) 術後の患者同様、微熱がある感じ。 これが高熱になれば病院決定。破傷風の疑いが出てくるからだ。 冷凍庫を開けると、やはりアイスノンはない。 大きめのボウルに水と氷を入れて、タオルを浸し固く絞ると、川崎の額に乗せる。 薬の効き目が凄いらしく、触覚で起きることもない川崎。 「……!」 床に座っていた私は、そこであるものに気付く。 隠しているようにベッドの下にある上着。 チラッと川崎を見る。 深い眠りに落ちている様子は変わらない。 ゴクッ!と生唾を飲んだ。 (…財布くらいは持ってるはず…) 何者なのか。どこから来たのか。 謎の多い川崎に関して、その疑問を払拭できる。 「……………」 手を伸ばした瞬間、ピタッ!と停止した。 ……そうだ。 この男、一瞬にして状況判断が出来る人。 些細な物事変化も見逃すはずがない。 恐らく、上着の置いた位置でさえ記憶していると考えていいはずだ。 (…どうする?) 止まった手が行き場を失い、宙にさ迷う。 「……………」 考えた末、多少生まれた信頼を壊すことはやめておいた方がいいと判断。 だが、少しの情報を得るため、上着を動かすことなく上から探るように触れる。 「……ッッ!!」 あるものに触れ、あるものの形状を描く。 四角の何か。 そして、銃の形状。 それに気付き、手を引いた。
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