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医師、宝石店主、薬剤師、調理師、理髪店主、大型車ドライバー等…
職業も一致しない。
この中で、医療関係という括りなら医師と薬剤師は纏められるが、元々資格内容さえ違うことを考えれば、括りなど無意味だろう。
(職業も不発か…)
明日は"手記"を手に入れて、もう一度調べ直し。
食料もまだたくさんあるし。
安心させるために一緒にいる川崎だって、私が無闇に外に行こうとしたら安心なんて出来ない。
共に行動しようと起き上がったら傷が開いてしまう。
「……ん……」
「!」
ベッドから微かな声が聞こえて、直ぐに向かう。
(…なんだ…寝返りだけか…)
額のタオルを取り、冷水に浸して固く絞ると顔と首の汗を拭う。
すると、切れ長の目がゆっくり開いた。
「…冷たい…」
「ごめんなさい。起こしちゃった…熱があるから汗が出てて拭いてたの。」
「ずっと起きてたのか。」
「あ、うん。仕事しにここに来てるから、やっつけてたの。もう休むよ。」
「…そうか。」
目を閉じて、フゥ…と息を吐いた川崎。
もう一度濡らし、冷たくなったタオルを額に乗せる。
ピクッと動き、目蓋をギュッと閉めた。
「フフ…川崎さんは冷たいの苦手なんだ?」
「…別に。」
「そっか。」
冷たくなったのは自分の手だって同じ。
その手で頬を包むと。
「うわっ!」
「アハハ!」
叫んだ川崎が本気でビックリしてるもんだから、それが可笑しくて笑った。
そのあと、しっかり睨まれたけど。
なぜか、昨日や一昨よりは怖くない。
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