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「二言目にはこれだもん。デスクは足で動く辛さが分かってないのよ!」
「香子ちゃん、それは違うんじゃない?デスクさんも、下積みあってそのポジションについたと思うわよ?」
「おかみさん。あのですね。その下積みってヤツのヒントを与えてくれるのが素晴らしき上司ってヤツだと思いますよ?」
「ふふ。そうね。…でも、叱咤激励してる風に見えるわよ?可愛がられてると思う。」
「どこがですか!」
「可愛がってない部下ならば、その二言目さえ頂けないんじゃないかしら?」
「……………」
「頑張れって言ってるわ。香子ちゃんも頑張ってね。」
「………はーーい。」
その夜、家の直ぐ傍にある居酒屋でおかみさんに愚痴を聞いてもらう。
お酒が飲めるようになって直ぐに見つけたこの居酒屋は、とても落ち着いた雰囲気の場所で、毎日のように通うようになった。
おかみさんも優しく気さくな人。
常連さんはおじさんばかりだけど、いつの間にか仲良くなっていた。
「…あ!内田サーン!スクープない?」
「香子ちゃん、またそれかい?そうだなぁ…北海道の町外れにデッケー茸があるってよ?」
「つまんない。却下。」
「ワハハ!内さん、面白くないってさ!」
「参ったなぁ…」
いつもの時間、いつもの顔ぶれ。
スクープに奔走している私にとっての憩いの場。
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