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「…君は一人で来たのかい?」
「はい。」
「…大丈夫かい?本当に…」
「全力を尽くします。」
「……そうか……
…その怪奇現象というのは…心霊の類いではないと思う。…本当に分からないんだが、それだけは断言できる。
気を付けてくれ。…頼まれていた棟は一番奥。鍵はこれだ。部屋は暖めておいたよ。」
「ありがとうございます。…明日は、ここにいらっしゃいますか?」
「ああ。いつでも訪ねておいで。」
「ありがとうございます。では。」
「本当に気を付けるんだよ!」
「はい!」
オーナー自身が怯えるほどのことか。
明日、詳しく聞こう。
そう思いつつ車を走らせ、辿り着いた大きな棟。
ガレージもついていて、大雪対策もバッチリだ。
車を入れて入り口を閉める。
ガレージ内から部屋に入るドアを見つけ、2本あるうちの1本で開ける。
「……うわ!広い!」
淡いオレンジに揺れるシャンデリア
木を基調とした暖かい内装
部屋の中央には暖炉
ここだけ別世界にいる感じ
「暖かい…」
この季節、チラホラ雪が降るほど冷えてくるらしく、外は白い息が見えていた。
今朝出てきた東京は20度だったのに、一気に真冬になった感じ。
暖められた部屋は、冷えた手を一瞬にして温めた。
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