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荷物をすべて部屋に入れ、冷蔵庫のスイッチを入れる。
必要なものを冷蔵庫に入れ終わると、直ぐに携帯を手に取った。
『はい。R出版、大室です。』
「あ、一発でデスクですか?暇ですか?」
『香子?着いたか?』
「はい。到着しました。明日から取材始めます。」
『了解した。ゆっくりできそうか?』
「すごい部屋ですよ!千円なんて信じられません!テンションがハイです!」
『…お前なぁ!…まぁいい。原因を突き止めるまで帰るんじゃねぇぞ!いいな!』
「はい!」
『じゃあ、また明日連絡しろ。気を付けろよ。無茶だけはするなよ。』
「はい。おやすみなさい。」
携帯を切ると、おかみさんの顔が浮かんだ。
"可愛がられてると思う"
うん。それは知ってる。
私の過去をすべて知ってる人はデスクだけ。
洗いざらい話した辛い過去。
こう言う取材は、大体私に出向させるにも理由がある。
ーーー私は……ーーー
「…お腹減ったぁ…シチュー作ろっと♪」
買ってきた食材からビーフシチューの材料を取り出すと、手際よく作っていく。
同時に即席のパンも。
「…美味しい…天才的!!」
これで、2,3日は作らなくても大丈夫。
…なーんて、甘い発想のビーフシチュー。
食後、缶ビールを飲みながら、明日の取材のための質問事項を考えていく。
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