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「香子ちゃん!心配したよ!…無事でよかった。……って。どうしたの?」 「無罪で逮捕された。松井さーん。外して!」 「まだダメだと言っただろ。松井に甘えるな。」 「だって川崎さんが外してくれないんだもん。」 「ダメ。…松井。調べたものは見付けたか?」 「ああ。…これ、報告書。」 「そうか。…では、暴きに向かいますか。」 報告書に目を通し、それを閉じると、川崎も松井も刑事の顔になった。 (本気でスパイ…なの?) ゴクリと生唾を飲むと、川崎が先に進み、取調室に入っていく。 そのあとを追うように松井と共に入った。 「香子!…さすがですね。川崎さん。」 「諜報戦は得意な方だ。…お前と一緒だな。 本題に入ろうか。大室寛人。」 「待ってください。香子も同席させる気ですか?」 「そのためにここに連れてきた。…お前の国籍を調べたぞ。ここに報告書がある。読め。」 デスクの前に差し出された報告書を読み出したデスクは、いつもの感じじゃない。 いつも以上に冷静…いや、感情を無にしている感じに見えた。 ここで何が起こっているのか見極めなければ。 深呼吸を繰り返し、頭に酸素を送って思考力を高める。見逃す言動がないようにデスクを観察。 「…読んだ通り、あらゆる手を使って調べなければ国籍は不明。その結果、やっと見付けたお前の未確認情報は、アメリカの野郎だってこと。 …大室寛人。お前、CIAの人間だな?」 そう言うと、デスクは見たこともないほどの笑顔になり「excellent!」と呟いた。 CIA central intelligence agency アメリカの大統領直属諜報機関。世界で最も有名なスパイだ。 「…と、いうことだ。香子。」 「……………」 「……香子?」 「…なるほど。…私は利用されてたって訳か。 よく分かりましたよデスク…いえ、大室さん。」 「香子。俺は君の」 「言い訳は結構。中央局はどこから情報を得ていたんです?加賀はアメリカには行ってない筈です。」 「大統領自ら要請を受け、連携するようにと。」 言葉の端々と記憶を元に答えを出す。 「フランスのDGSEですね?」 瞬時に出した答えを聞き、その場にいた全員が目を丸くした。
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