Re;venge

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その帰り際、松井から一言。 「…元気出せよ。お前がずっと見てきた子だろ?大丈夫だ。 その願掛け、楢崎が叶えてくれるさ。」 「…お前が誘ったから飲んでしまった。」 「……げ。俺のせい?」 「ククッ!…大丈夫だ。昴が叶えてくれるんだろ?」 「ああ。そうだ。…明日、頑張ってこいよ。」 …俺が頑張る訳じゃないが、スッと心に入ってくる一言だった。 松井も応援してくれてる。 そして翌日。 すべての質疑と証拠提示が終わった。 検察側の求刑は懲役3年の実刑。 それでも殺人未遂では短い方だ。 弁護側の求刑は懲役3年、執行猶予5年。 香子はそれを静かに聞いていた。 「本田香子さん。証言台へ。」 裁判長が声をかけ、香子はゆっくり場に立った。 「…何か言っておきたいことはありますか。」 そう問われて、一度下を向いた香子。 大きく深呼吸を一つ。 証言台から降りると、裁判員と裁判長をゆっくりと見回した。 …そして。 「…裁判長。そして裁判員の皆さん。 検事さんも弁護士さんも、本当にありがとうございました。 …私は、この裁判で下った判決に、異議を申し立てる気はありません。 判決を受け止める気です。 どうか、迷わず私を死刑にしてください。 そうでなければ、私はきっとあの人を殺すと思います。」 香子は真っ直ぐ西村を指差し、そう告げた。 (…やっぱり) ずっと見てきたから分かる。 彼女の覚悟の目は、誰にも迷惑をかけずに済む方法を決めていた。 "バイバイ"と言った瞬間から。
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