第1章

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こちらを見ずに、カンナが言った。 「…だから、アカリンってやめてよ!」 「あの時は、言わないからいいじゃん~」 重ねた手のひらから、汗がぶわりと出る。 私は、馬鹿と疲れるまで言った。 「でーきた。帰ろうか、アカリン」 がたりと席を立ち、カンナがにっと笑う。 「今日、ウチでいい?」 握ってきた手が、私の背中をぞくりと震わせる。 「アカリ。いつもみたいに、私のせいにして」 カンナの顔を見ずに、首を縦に振った。 END
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