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= 10年前 =
「柊哉(しゅうや)、おはよー」
「はよー」
あー、今日から小学5年生かぁ。
はふぅ、眠ぃや。
これからまたしばらく毎朝7時半に起きなくちゃならないなんて、やだなあ。
もうゲームやるためにあまり夜更かしはできないや。ちぇ。
ぐちぐちそんなことを考えて歩いていたら、通っている小学校の校門が見えてきた。
知っている顔もちらほら見える。
あー、みんな眠そうだな、僕だけじゃない、なんて見比べてたら、後ろからぱこん!と勢いよくはたかれた。
「いってー」
振り返ると、小学2年生の時からの友達の中西啓介(なかにしけいすけ)が立っていた。
「おい、また一緒のクラスになるといいなあ」
「ヤダ。お前との腐れ縁なんかいい加減切りたいわ!」
「なんだとー!?」
羽交い絞めにされそうになる。
「ちょっと御子柴君と中西君、校門前でふざけないで。っんとにガキなんだから」
冷たく言い放つ声が通り過ぎていった。
確か去年のクラス委員の子だ。
「こわっ」
「ほらお前のせいで怒られた」
「うるせーよ」
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