【2】カノジョの謎

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*** 翌日、僕と啓介は先生に実験準備を手伝うように言われたと言って、東雲さんを誰もいない理科室に呼び出した。 来てみたら僕ら二人だけとわかって、あきらかに彼女は緊張している。 「東雲さん、ちょっと匂い嗅がせて?」 啓介のヤツ、ストレートすぎるくらいストレートに聞きやがった。 「え、なに!? や、やだ!!」 確かにいきなりそれじゃあ、ヘンタイとしか思えないよ。 仕方がないので、僕が説明を始める。 彼女のそばを通るとき、なんだか匂うこと。それで、彼女は避けられていること。 「そのにおいのせいで、みんなに影でなんていわれてるか気づいてない?」 「うん、なんとなく、、、」 「何が原因かをつきとめたいんだ」 「そ、僕がホームズで、こいつはワトソン君ね」 「啓介、お前は黙ってろ」 このままじゃパイプをくゆらすマネでも始めかねない啓介を、牽制した。 「君はカレー屋の上に住んでるんだよな」 「うん、どうして知ってるの」 「や、たまたま、通りかかってさ。下校途中の君を見たんだ」 少しだけ事実と違うことを言う。 「狭くて古いとこなんだけど、今回のパパの転勤は急すぎて、新しく住む家の準備ができてなくて、とりあえず便利なとこっていうんで、あそこになったの」 「そうか。ちょっと確かめたいことがあるんだけど、じっとしててくれる?」 「こう?」 東雲さんの背後に回る。 くんくん。 彼女の背中に、鼻をくっつけて嗅いでみる。 彼女が緊張してるのがわかる。だいじょーぶ、前に回って嗅いだりはしないよ。 しかしこれ、、、
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