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「やっぱそうだ、、、。カレーのにおいだ!」
「え!?」
びっくりした東雲さんが急に振り向いたおかげで、何かが僕の唇に触れた。
えっ!!??
「ひゃ!」
彼女のほっぺたにちゅ、してしまった!!
「ご、ごめんっ」
「柊哉やらしー」
「ち、違っ」
真っ赤になってほっぺたを押さえる東雲さん。
やばっ、か、可愛い、、、
「ごめん偶然だから、偶然!」
「うん、、、」
「ファーストキッス、ひゅーひゅー」
「バカ啓介、黙れ!」
啓介を羽交い絞めにしようとすると、「わかった、いででで、やめろ」 と言いながら、ヤツは僕の腕の中から抜け出た。
「でもなんでカレーの匂いなんだ?」 乱れたシャツを引っ張りながら啓介が不思議そうに言う。
「あ、放課後、服着たままカレー屋でお手伝いして小遣い稼ぎとかしてんの?」
、、、相変わらずこいつは一言多い。
***
偶然にもその夜、僕の家の夕食もカレーだった。
そばにいて皿を並べたりとか、なるべくカレーなべのそばにいて手伝ってみる。
「どうしたの、そんなことしてもお小遣いは増えないわよ」
母さんの余計な一言を聞き流しながら、自分の服のにおいを嗅いでみた。
匂わない。
じゃあいったいなぜ、、、。
部屋に戻ると、急に僕の唇に触れたあの彼女の柔らかいほっぺたの感触を思い出して、思わず口を押さえた。
すごくドキドキしてきて、心臓が口から飛び出しそうな気がしたんだ。
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