【1】初恋はカレー味?

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「なぁ、誰か飯盒(はんごう)持ってるやついないの? 飯盒で炊いた飯、めっちゃ美味いのにさー。 毎年米は、コンビニのおにぎりで済ませてるじゃん?」 直火で炊く白米の美味しさ。 飯盒で炊く米の醍醐味のルーツは、幼い頃の“林間学校”の思い出にある。 「小学生の頃、林間学校とかスクールキャンプでやらなかった? 飯盒で米炊いて、その間女子がカレーを作ってくれたりしてさー。」 甘酸っぱい思い出を語り、匠海に共感を求める俺。 しかし彼はコンロに付っきりで忙しく、俺の思い出話に適当な返事をして頷くだけ。 「まぁ、そんな思い出は誰にだってあるよな。 それよりも柊哉! 今日はあの“希恋館(きれんかん)女子大”との合同イベントだ! こんなでっけぇ合コン、きっと大学在学中にはもうできねぇぞ!? あ~、俺ら工大生にとっちゃ、本当は高嶺の花のはずなんだけどなぁ・・・。」
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