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「ゆつちゃんは全裸で寝転がってるだけでいいの。後は私が色んな事をして、ゆつちゃんを気持ちよくしてあげるから」
「ちょ、その顔本当にエロオヤジみたいだよ」
「へへ、だって本当にエロなんだもん。今夜は寝かさないよ。夢の極楽ツアーに出発進行」
「もう、バカ」
七美と暮らし始めて四か月、ほとんど毎晩身体を求めあっている。七美の手は魔法の手。いつも私を夢の世界へといざなってくれるのだ。
「あっ、ゆつちゃん電話」
「本当だ」
ワタシは席を立ち、リビングのガラステーブルの上に置いてあるスマホを手にした。
ディスプレイには母の名前。正直出たくない相手である。
大学を卒業した後、母はワタシが地元で就職すると思っていたので、とかく小言が多いのだ。
女の幸せは、結婚をして子供を育てることだと思っているから、県外で就職なんかしないで、地元で働きながら花嫁修業をしてほしいらしい。
でも、申し訳ないけれど、そのつもりはない。だって私は男性恐怖症で、女性しか愛せないのだから。
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