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昼休み。
中庭で友達と昼食を食べ終わるといつも私だけが先に教室に戻るのが日課になっている。なぜなら友達はこれから昼休みが終わるまで彼氏と過ごすからだ。
いいなぁ…彼氏か。高2にもなると彼氏持ちの女子が増える。休み時間ともなれば異性の話題でもちきりだ。
そりゃあ私だって彼氏は欲しい。だけど彼氏にしたいと思うのは幼なじみの達也だけ。でも私には告白する勇気はない。
1人寂しく教室までの廊下をとぼとぼ歩いていると、美術室の中から話し声が聞こえてきた。
普通だったらそんなことも気にせず通り過ぎていただろう。しかし今日は違っていた。
だってその声は私の大好きな人だったから。
扉の隙間からそっと中を覗いてしまう。
「達也くん。…好きなの」
「友佳(ゆか)ちゃん。俺は…」
そう言った途端、彼女が達也に抱きついた。
そして優しく女の子を抱きしめる達也。
そのまま見つめ合った2人は唇を重ね合った。
目の前の出来事に動揺してしまった私は慌ててその場を離れた。と、同時に誰かにおもいきりぶつかってしまう。
顔を上げれば、そこに居たのは校医の野島先生だった。即座にすみませんと謝罪した私は、無我夢中で走り教室に駆け込んだ。
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