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僕の女嫌いは、筋金入りだ。
生まれた時から始まっていたに違いない。
物心ついた三才の時にはもう、女が苦手だった。
僕の上には三人の姉がいる。
十人いるいとこは全て女だ。
当たり前だが、母も女だ。
女、女、女。
世界の半分は女で出来ているから、必然と僕は世界の半分が苦手だ。
だから仕事も長く続かない。
職場に女がいると、どうにも落ち着かない。
好きと嫌いが紙一重とはとても思えない。
そんな僕がようやく見つけたのは、マーブルという古美術商のビルの清掃。
けっして高くはない時給だったけど、一人黙々と仕事が出来るし、清掃員の僕に話しかける女子社員はここには皆無だった。
実家暮らしの僕には、これで十分な賃金で、そして気楽な仕事場だった。
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