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脈絡のない考えが頭を巡り、それでも僕は与えられた仕事を全うするべく動く、と。
行き交う会場のドアから、ここの社長の息子が出てくる。
その後ろから、芹沢世理が俯きながら付いてきていた。
二人は無言でエレベーターに乗り込んだ。
一階に行くだけなら、正面にある大階段を使うはず。
違和感を覚えた僕は、慌ててエレベーターに駆け寄った。
階数を示す数字はここよりも遥かに上、六階を示している。
ヤバいんじゃないか?
社長の息子は大分酔っている様に見えた。
僕はどうしたらいいんだ。
僕が何かをするのは違うかもしれないけど、この事態を誰かに言った方が良いような気がしてならない。
するとさっきの男の人がふらりとジュースを片手に下へ降りて行こうとしていくのが見えた。
飲み過ぎで夜風にあたりに行くのかな。
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