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京壱と初めて出会ったのは腐れ縁の彼氏、各務明彦が通う大学だった。
明彦と私は何度も別れては復縁を繰り返す、バカップル。
明彦の浮気が原因でいつも繰り返す別れに辟易していた頃だった。
この時、明彦の大学には天才と呼ばれている人間が二人いた。
一人は神童と呼ばれ、今でも活躍しているピアニストの榊揚羽。
もう一人は、蕾が開き始めたばかりの画家志望、町田睦月。
京壱は榊さんの知り合いで、町田君は榊さんのCDジャケットを依頼されていた。
で、明彦は町田君の友達で、私はその彼女。
遠い遠い関係だった。
京壱は別の大学だったのに、榊さんが大学に来ている数少ない日には必ず隣に居た。
二人はいつも一緒で、見た目も良かったものだからゲイなんじゃないかと噂もあったけど、榊さんには彼に釣合うとは思えない平凡な彼女がいて、京壱には特定の彼女はいなかったけど遊んでいる風だった。
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