黄昏に潜む暗闇(メインキャラ)

7/9
前へ
/18ページ
次へ
【キャラ別小話 本田 悠ver】 『今授業中!真面目な私は優等生らしくちゃーんと出席するのだ!』 栖軽高校の2年3組の2時限目は国語総合、教卓の前では担当教師が教科書片手に黒板に白いチョークを走らせている。 授業に対し真面目な生徒、そうでない生徒半々といった2年3組だが、その中でも金髪に黒いメッシュと人目を引く人物、本田悠は持参物の小型PCの某呟き場に手馴れた手付きで文章を記入していく。 『ゆぅたんそれ今呟いてる時点で真面目じゃないし優等生でもないわw』 更新キーを押せば「ゆぅたん」の発言に対し様々な反応が返ってきていた。 突っ込みを入れる者、ゆぅたんと同じく授業中であると発言する者、短い文章内容に返ってくる大量のコメントに悠は小さな声でケラケラと笑った。 悠の笑い声に隣でノートをとっていた男子生徒が怪訝な表情を向けてくるが、数秒もしない内にノートにペンを走らせる作業に戻る。 本田悠が教室に小型PCを持ち込むのは決して初めてではない。中学生の頃はまだ周りの生徒と同じように携帯を授業中に触る程度だったが、高校生になってからは利便性から小型PCを愛用している。 その為、担当教師から外見共々キツく小言を言われる事が多々あるが、直す気が無いのか小型PCが彼の手元から消える日はない。 『そいえばゆぅたん知ってる?』 『んー?何々、面白い話?』 電子世界に没頭する理由の一つとして、顔も名前も知らない人物との交流だと彼は言う。 『ちょっと小耳に挟んだ話なんだけどさ、』 第二の理由として 『ゆぅたんって確か○市住みだよね。今日の朝○市の橘樹って所でさ』 『あーそれ俺知ってるわ、確か「バラバラ殺人事件」だっけ?』 『ちょ、おまw先に言うなしw』 自分が知らない最新の情報が得られるから、だそうだ。 「橘樹って……隣町じゃん」
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加