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ねぇ、ねぇ、ねぇ。どこへ行くの?
待って、置いて行かないで。
ねぇ…。
--------…な。し…な。
「椎名っ!あんた遅刻するわよ!」
お母さんの声だ。
「…ふぇ?」
「間抜けな声だしてる暇じゃないわよ。あと10分しかないの分かってる?」
「うそっ!」
私は急いで準備を始める。
初日から遅刻は痛い…!
「いってきます!」
「ちょっと椎名お弁当!」
おっといけない、忘れてた。
「ありがとー!行ってきます!」
「もう…。大丈夫なのかしら…。」
紹介が遅くなりました、春原椎名(ハルバラシイナ)です。
好きな事は友達の相談に乗ること。
そして春原椎名15歳、今日から高校生になります。
「おーっす椎名。」
「椎名おはよぉ~。」
通学路を歩いていると二人の姿が見えた。
「おはよ。朝から葵は眠そうだね。」
「そう!こいつ夜更かしして待ち合わせに遅刻してきたんだぜ?」
「え、えへ。だってリン○ーン面白かったんだもん。」
この二人は佐宮葵(サミヤアオイ)と都原悠真(トハラユマ)。
中2の夏頃から二人は付き合っている。
あの頃は楽しかったなぁ…。
「二人とも朝からラブラブだね。」
「何言ってんの。いつもこんな感じじゃない。」
「暑さでおかしくなったんじゃねーか?」
「もー、酷いなぁ。」
「悪りぃ悪りぃ。」
私達はそんな会話をしつつ足を進める。
「うげっ、葵とクラス離れた!」
「わーほんとだ。私は3組。椎名は…っと。」
「私は4組。悠真は1組だから全員バラバラだね…。」
「しかも俺んとこ相楽と山合いるんだけど。」
「誰それ?」
「知らねーの?相楽真衣(サガラマイ)は冷たいだけで被害は少ないんだけど…。
山合千聡(ヤマアイチサト)は世に言うヤンキーだよ。ちなみに男な。」
「えっ、男なの?!」
葵がすごく驚いてる。
「あぁ、俺も最初名前だけ聞いて女だと思ったらヤローでビビった。」
「1組はメンバーが濃いね…。」
「でも楽しそうだね。」
「あぁ~。マジで最悪。」
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