第2章

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ねぇ、ねぇ、ねぇ。どこへ行くの? 待って、置いて行かないで。 ねぇ…。 --------…な。し…な。 「椎名っ!あんた遅刻するわよ!」 お母さんの声だ。 「…ふぇ?」 「間抜けな声だしてる暇じゃないわよ。あと10分しかないの分かってる?」 「うそっ!」 私は急いで準備を始める。 初日から遅刻は痛い…! 「いってきます!」 「ちょっと椎名お弁当!」 おっといけない、忘れてた。 「ありがとー!行ってきます!」 「もう…。大丈夫なのかしら…。」 紹介が遅くなりました、春原椎名(ハルバラシイナ)です。 好きな事は友達の相談に乗ること。 そして春原椎名15歳、今日から高校生になります。 「おーっす椎名。」 「椎名おはよぉ~。」 通学路を歩いていると二人の姿が見えた。 「おはよ。朝から葵は眠そうだね。」 「そう!こいつ夜更かしして待ち合わせに遅刻してきたんだぜ?」 「え、えへ。だってリン○ーン面白かったんだもん。」 この二人は佐宮葵(サミヤアオイ)と都原悠真(トハラユマ)。 中2の夏頃から二人は付き合っている。 あの頃は楽しかったなぁ…。 「二人とも朝からラブラブだね。」 「何言ってんの。いつもこんな感じじゃない。」 「暑さでおかしくなったんじゃねーか?」 「もー、酷いなぁ。」 「悪りぃ悪りぃ。」 私達はそんな会話をしつつ足を進める。 「うげっ、葵とクラス離れた!」 「わーほんとだ。私は3組。椎名は…っと。」 「私は4組。悠真は1組だから全員バラバラだね…。」 「しかも俺んとこ相楽と山合いるんだけど。」 「誰それ?」 「知らねーの?相楽真衣(サガラマイ)は冷たいだけで被害は少ないんだけど…。 山合千聡(ヤマアイチサト)は世に言うヤンキーだよ。ちなみに男な。」 「えっ、男なの?!」 葵がすごく驚いてる。 「あぁ、俺も最初名前だけ聞いて女だと思ったらヤローでビビった。」 「1組はメンバーが濃いね…。」 「でも楽しそうだね。」 「あぁ~。マジで最悪。」
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