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「鼻を摘んで水分を一気に飲み込んだら治るだろ?」
「それ、よく聞くけど根拠とかあるのか?」
「さぁ……」
そんな会話をしながら時間は過ぎ、落崖村に一番近いと言われている停留所で俺達は降りた。
綺麗な空気を吸い込み深呼吸する。
「後は、この地図が頼りだ……」
俺はカバンからプリントアウトした落崖村までの手書き地図を取り出す。
「コレでたどり着けなかったら野宿だな」
「どっちにしろ無人の村なんだから野宿みたいなもんだろ」
秀介はそう言い捨て、リュックを背負い直した。
――――地図を片手に、道無き道を進むこと2時間が経過した。
しかし、一向に村が見えてくる気配は無い。
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