第一夜:克人と秀介

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「絶対、落崖村だろ!! こんな森の奥にあるって落崖村しか考えられない! やっと辿り着いたんだ!」 そう言って秀介は駆け出し、我先にと木造の家に向かって走っていく。 呆れた顔で軽く溜息をついた俺は、秀介の背中を追っていく。 近づいてみると、人の気配は噂通り皆無だが、人が住んでいた形跡のある家がいくつか発見される。 「パッと見で6軒くらいかな……。 でもコレ、家とは呼べないレベルだよな」 ほとんどの家は玄関が崩れ、折れた木材などが剥き出しになっていた。 畳の部屋がほとんどで、今では常識のフローリング素材は何処にも見当たらない。 ネットに書いていたように30年以上前に村人が居なくなった事は間違いないようだ。
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