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「ヒッ!」と軽く悲鳴を上げた秀介は青い顔で俺の隣に帰ってきた。
その瞬間、俺の脳内に幼い少女の声が響く。
『イーケナインダー、イケナインダー。ミツコチャンニー、オコラレルー』
俺は辺りを見回し、誰か隠れて居ないか確認する。
「おい秀介、今の声聞こえたか?」
「は?何が?ってか足の血もう止まったし!俺の治癒力半端ないな」
そんな事を言いながら秀介は、寝転んだ大木の上に腰を下ろした。
いつの間にか空は暗くなっていた。
俺は予め用意していた電池式のランプを点灯させて足元に置く。
それと同時に大きい蛾が寄ってきて俺達の周りで飛び回る。
「キモ!こんなデカイ蛾、俺達の住んでるトコには居ないよな!」
秀介はそう言いながら首や腕を掻き毟る。
どうやら蚊も結構な数が居るようだ。
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