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先程まで、すぐ近くで星を眺めていたはずの秀介が忽然と消えているのだ。
焦った俺は消していたランプを点けて立ち上がる。
「秀介?何処だ、秀介!?
おいおい、お前……俺をビビらそうたってそうはいかねーからな!
おい……なぁ。本気で怒るぞ!秀介!!」
それから何度、秀介の名前を呼んだだろう。
冗談で秀介が消えたにしては長すぎる。
俺はランプを手に真っ暗な廃村を歩いていく。
明るい時とは違い、崩れた民家の陰から誰かが見ているような気配がして背筋が冷たくなる。
少し歩いた所で、秀介の青いスマートフォンを発見した。
手に持つと、少し濡れていたのでランプを当ててみると、画面は血がついたように赤く染まっていた。
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