第一夜:克人と秀介

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「この次の次の駅で降りて、そっからはバスだな」 そう言って俺はスマートフォンをポケットに直し、ポッキーを貪る秀介に話しかける。 「ってか昼飯どうすんの?今から降りる駅って定食屋くらいあるよな?」 秀介の質問に即答できない俺は、インターネットを開いて情報を集め始める。 「本当、便利な世の中だよな……」 他人事のようにそう呟いた秀介はあくびをしながらポッキーの袋をクシャクシャにして大きいリュックに押し込んだ。 そうこうしている間に目的の駅に電車は到着した。 俺はポケットから切符を取り出し、無人の改札をくぐっていく。 心なしか地元よりも元気に鳴くセミの声がサイレンのように田舎町に響いている。 「うっせー!セミって何でこんなに煩いんだろうな。 黙ってたらもう少し寿命長いんじゃねぇのかっていつも思うよ。 自分で寿命削ってんじゃないの?」 秀介の発言に少し笑わされた俺は、インターネットで見つけ出した定食屋に誘導する。
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