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「壱、お前それいい加減やめろ」 静かな怒りを込めてそう言った、こいつの言葉の意味が分からない。 「...なに?」 やめろって、俺の台詞だろーが... 「...その渡瀬ってのもうやめろ。前は名前でちゃんと呼んでただろ」 って、いつの話だよ。 今そんな事どうでも良くないか? 「...んな事よりマジでもうどけって」 こいつの視線を正面から受け止められなくて、顔を逸らしてそう言った。 今は早くこの部屋から出たい。 こいつが何考えてるのかとか、何で俺にこんな事してんのかとか、どうでもいいからとにかくこいつから離れたかった。
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