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...なんだよ。
さっきからごめんごめんって。
今まで絶対謝んなかったくせに。
いつも強気に俺をバカにしてたくせに。
「...壱。」
そう、名を呼んで。
力一杯俺を抱きしめて。
胸がドキドキ鳴ってる。
顔なんてあげられなくて、俯けば俺を強く抱きしめる渡瀬の腕が見えて。
この状況でこいつが何を言いたいのか、俺にだって予想がつく。
でもそんなの信じられなくて。
これ以上聞いちゃいけないんじゃないかって、逃げたくなる。
聞いても聞かなくても、もう元には戻れないんじゃないかって。
昔みたいにはもう絶対になれないんじゃないかって。
聞くのが怖い。
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