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「...壱、もう...わかんだろ」 そう静かに言われ、顔が熱くなる。 わかんねーよ。 なんで、何でそんな事になってんだよ。 いつそんな事になったんだよ。 「わかんねーの?」 耳のすぐ後ろから聞こえる声が優しい。 「...わかんねーよ」 わかんねー事だらけだよ。 電気が消えたままの部屋は、窓から入る夕日の光に照らされてオレンジ色に染まってて。 そんなオレンジ色の世界で、後ろから俺を抱きしめてるのは俺の事を嫌ってるはずの幼馴染で。 一番負けたくない奴で。 一番大切だったはずの親友で。 そんな渡瀬が、 俺に言うんだ。 「壱、お前が好きだ」
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