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あの日から一週間。
花岡から有難いアドバイスを頂いたにも関わらず、まだ渡瀬とは話せてない。
と言うか、未だに俺は逃げ回ってる。
「...はぁ」
俺のチキン。
弱虫。
根性無し。
いや、ちゃんと話そうと思ってんだよ。
花岡の言う通りだと思うし、このまま避けてたらダメだってわかってんだけど。
どうしても顔を見れば目を逸らしちまうし。
朝くらい一緒に行こうって夜は思うのに、朝になれば早く行かなきゃって家を飛び出しちまう。
おかげで無駄に早起きの習慣が身に付いた。
学校ではほとんど寝てっけど。
あいつはそれでも毎朝いつも通りの時間に家に来て、母ちゃんに今日はいるかって聞いてるらしい。
「あんた達喧嘩でもしてんの?」って聞かれたけど、喧嘩してただけの頃がもはや懐かしい。
まあ、喧嘩っつっても俺が一人で張り合ってたみたいなもんだけどさ。
それでも、つい1週間前の生活はなんて単純でお気楽だったのかと思う。
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