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松千代はその足で、美加の自室へと急いだ。
「美加姫様、よろしいでしょうか。」
「はい、松千代様。おかえりなさいませ、
ーーーどうぞ。」
松千代は少しあわてた様子で美加の自室へと入ると、
「美加姫様、先にお耳にいれておこうと思いまして。
今のところ、お館様は美加姫様をお召しではございません。
が、しかし、わたしの予想ではいましばらくした後に
美加姫様にお声がかかえるのではないかと思います。」
「ーーーはい。
どうされたのですか。」
夜のお伴に美加を召されるのはなにも珍しいことではない。
美加にはなぜ、このように松千代が慌ててそれを告げに来たのか、
怪訝な気持ちで松千代に尋ねた。
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