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「ですので、松千代様、大丈夫でございますよ。
心配御無用にございます。
さ、早くお館さまの自室の前へと控えのお役目にお戻りくださいませーーー。
でないと、『松千代!』と大声で呼ばれたときに
あなたさまが控えていないと、また機嫌を悪くしてしまいますーーー。」
「美加姫様、
母が言っていました。
お館様はお怒りになって、その矛先が女に向けられたならば
あとは誰でもよいのだ、と。
矛先が女に向く前に、大名やどなたか武将に怒りが向いていたならば
それを女に代えるのが一番の苦労だと。
ーーー今宵、美加姫様に夜伽を命じられる前に、
松千代が京の商売女を買ってきます。
そして、お館様の寝所に侍らせます。
それもできるのです。
美加姫様がーーー
一番の寵姫が、そんな役目につかなくてもいいのです、美加姫!」
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