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美加は首を振る。
「美加姫、松千代にお命じください。
今宵は、他の女をおそばにあげてもよい、と。
あなた様の許しなく、松千代は勝手に…
お館様を心よりお慕いされているあなた様の許しなく、
他の女をお館様に差し出すのは心苦しいのですーーー。」
語尾は小さくなりながらも、松千代は美加に自分の意思を伝えた。
「松千代さま、
ーーーでは、あなたに命じます。
今宵、わたくしをお館様の寝所に案内してください。
そして、他の女は近づけないで下さい。
できることならば、宿直は忍びの方にお命じください。
あなた様にはできるだけ遠くにいてもらいたいーーー」
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