第1章

8/25
前へ
/25ページ
次へ
美加は首を振る。 「美加姫、松千代にお命じください。 今宵は、他の女をおそばにあげてもよい、と。 あなた様の許しなく、松千代は勝手に… お館様を心よりお慕いされているあなた様の許しなく、 他の女をお館様に差し出すのは心苦しいのですーーー。」 語尾は小さくなりながらも、松千代は美加に自分の意思を伝えた。 「松千代さま、 ーーーでは、あなたに命じます。 今宵、わたくしをお館様の寝所に案内してください。 そして、他の女は近づけないで下さい。 できることならば、宿直は忍びの方にお命じください。 あなた様にはできるだけ遠くにいてもらいたいーーー」
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

452人が本棚に入れています
本棚に追加