Act.1 正義の魔王

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神が下した命令は勇者と魔王、お双方の記録です。先ほども言いましたが、それはすなわち同じ時間に私という存在が二人存在するということになります。 まぁ普通ではあり得ないことですけども。 (できなくはないんですけど…あれ、疲れるんですよねぇ) 天使ともなるとそれは可能です。 だけども消費するエネルギーは二倍になりますし、その負荷は全てオリジナルーつまりは本体である私に来るわけですよ。当たり前ですけど疲れますよね。 それになんとも厄介なことに同じ時間に存在するには性別も逆にしなくてはいけないのです。今の私に断言できる性別はありませんので、どちらになっても別におかしくはないのですが、どちらかというと限りなく個人的に男に近いと思っています。 それ故女性になることに些かどころかかなり抵抗がありますね。 もちろんやましい気持ちなどありませんよ。ありませんけど…ね。 「問題は、どちらをどちらでいくかですよねえ…どちらにしてもラブ☆イベントとかはないので正直どちらでも同じなんですけども」 勇者(魔王)側に行ったら行ったで女の支離滅裂な戦いに巻き込まれそうですし、魔王(勇者)側に行ったら行ったで…ってどちらにしても女の支離滅裂な戦いになる気がしてきました。どっちにしてもイケメンの側に行くことに何ら変わりはないじゃないですか!
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