Act.0 狂乱の神様

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「オールドモンドでは…勇者と魔王という存在が世界の軸になっている。だから勇者と魔王は転生を繰り返し、何度も同じことを繰り返してる。これも知ってるよね?」 「それを補佐官に聞くのは若干失礼だと思いますよ…」 「アハハ!ごめんよヴァイスちん!!一応確認のためにね」 「はぁ…」 神はにっこりと笑った。 「でね、僕は考えたんだ」 神の顔が一瞬ふっと真顔になった。だがすぐにいつものヘラヘラとした笑みに戻る。女神様が神の肩にそっと手を置いた。 「人はとても愚かだよね。過ちを何度も繰り返し、繰り返し…傷つき、そして死ぬ。関係のない命を巻き込んでまで己の欲をなんとかして果たそうとする。愚かで、憐れでとても愛しい僕の子供たちだ。」 「過ちを犯すことはなにも悪いことじゃないよ。でも、繰り返すことに意味はあるのかな? 過ちから何故人は学べないんだろう。知恵を与えたのに、どうしてそれを活用しないんだろう。 僕は確かに彼らの父だけども、だからと言ってなんでも願いを叶える訳じゃない。それなのに人は僕にすがる。理不尽な願い、勝手なこじつけ…それをすべて僕になすりつける。僕は全ての願いを叶える全知全能の神だと崇める。」 でもね、と神は口角を下げた。
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