囀る小鳥は毒を知らない

3/7
前へ
/7ページ
次へ
ことりの事を好きだと気付いたのは、中1の時。 彼女に初めて彼氏が出来たと知った時。 彼女とは家が近く、親同士も仲が良く、幼い頃からよく遊んでいた。 私自身も疑う事無く、特別に仲の良い親友だと思っていた。 けれど幼い私に時折訪れるのは、彼女に「触れたい」と思う発作。 それは自我が芽生え始める頃から、既に始まっていて。 「ねぇ、ことり」 「なぁに、あずちゃん」 「ほっぺ、さわってもいい?」 「うん、いいよ?」 彼女の頬に初めて触れたのは、小3の時。 人差し指で、そっと彼女の頬を押す。 白くて柔らかくて、まるでお餅のようで。 美味しそうだと思った私は、唇を寄せて、お餅を舐めた。 「ひゃっ」 「ことり」 「あずちゃん、くすぐったいよぅ」 「ことり、ほっぺおいしいね」 「やだぁ、おいしくないよぅ」 彼女のお餅は、淡いピンクに色付いて もっと食べたいと、本能が言ったんだ。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

92人が本棚に入れています
本棚に追加