Ⅰ.これが…恋?

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「もう、俺に遠慮することないよ」 充のその言葉と。 切ない色をした瞳。 充は無理をしてるとき、そうやって眉を下げて笑うのな。 「好きにも種類があって、 俺たちには友だちとしての“好き”があったってだけ」 友だちに戻る。 「彼女に振られるのが怖いから……逃げたんだ」 充の声が震えてて、無理やり笑おうとするから左頬だけが引きつってやがる。 その顔を見て、彼女のこと本当に好きだったんだとわかった。 簡単じゃなかった。 充の思いは、そんなに簡単なことじゃなかった。
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