649人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女と接点のない俺は、充と別れたことで余計に遠い存在になってしまったことに気づく。
何も知らない。
知ってるのは。
“保坂比奈”
誰かに聞いた彼女の名前くらい。
たまたま学年集会があったとき。
たまたま耳にした話。
『比奈ちゃんは、誰がタイプ?』
『…うーんっと、保健の先生』
『比奈ちゃんって高藤先生みたいな人がタイプなんだ』
『確かにカッコイイよね。
あのクールな感じ、俺様な態度。
あの容姿だから許されるって感じ』
『…クールで俺様?』
『そうそう。相手にされないのわかってても生徒に人気高いよね』
『ふーん、そうなんだ』
最初のコメントを投稿しよう!