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教室に入るとき、一瞬足を止める。
「海斗…?」
いつもの上目遣い。
どうしたの? と、少し潤んだ瞳で俺を見遣る。
「…別に」
そう言って、一歩教室に足を入れた瞬間に。
窓際で友だちと仲良さそうに話をしてる比奈を見つけた。
見つけた、というより。
比奈のことしか目に入らなかった。
久しぶりに見るあの横顔。
あの無邪気な笑顔は健在で。
少し髪が伸びたせいか、少しだけ大人びた彼女に…
ドキドキと、心臓が加速し始める。
そんな自分を誤魔化すように、空いてる席にドカッと座って。
ダルそうに背もたれに身体を預けて腕を組んだ。
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