Ⅱ.恋の味…?

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教室に入るとき、一瞬足を止める。 「海斗…?」 いつもの上目遣い。 どうしたの? と、少し潤んだ瞳で俺を見遣る。 「…別に」 そう言って、一歩教室に足を入れた瞬間に。 窓際で友だちと仲良さそうに話をしてる比奈を見つけた。 見つけた、というより。 比奈のことしか目に入らなかった。 久しぶりに見るあの横顔。 あの無邪気な笑顔は健在で。 少し髪が伸びたせいか、少しだけ大人びた彼女に… ドキドキと、心臓が加速し始める。 そんな自分を誤魔化すように、空いてる席にドカッと座って。 ダルそうに背もたれに身体を預けて腕を組んだ。
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