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その時比奈は、女に囲まれてる俺のことを不思議なものでも見るような瞳で見ていて。
その頬が、微かに染まってたことなんて思いもしなかった。
チラチラと無表情の俺を盗み見してるなんて、夢にも思わなかった。
『須藤海斗。いつも女の子が周りを囲ってるよね。
あの容姿でしょ? 女好きって有名』
『…ふーん。あんな人がいたんだ』
『比奈はそういうの興味ないもんね』
『うん。まあ、確かにカッコイイけどさ』
『珍しい、比奈がそんなこと言うなんて』
クスクス笑う友だちに、頬を染めて俯く比奈を。
俺は知ることはなかった。
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