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予鈴が鳴って、美佳たちがしぶしぶ教室を出て行って。
クリアになった視界には、彼女の後ろ姿がよく見えた。
後ろ姿しか見えない。
でも、よく笑うその姿。
たまに顔を動かせば、チラリと見えるその横顔はいつも異常に幼くて。
屈託のないその笑顔は、周りも同じように笑顔に変えていく。
担任が教室に来るまで、比奈たちの楽しそうな声が、教室の中に響いていた。
これから始業式だと、みんなが廊下に出て体育館へ向うときも。
彼女に近づく勇気のない俺は、彼女の後方から見てることくらいしかできなくて。
「相変わらず海斗の周りにはいい女が集まるな」
俺の肩に腕を回してくる友だちに。
「そうか?」
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