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「ソレ、ちょうだい」
気づいたら、彼女に話しかけてる自分がいて驚いた。
あれだけどうしたらいいのかって悩んでたくせに、それはあまりにも簡単で。
キッカケは、また苺ミルク。
聞こえなかったのか、何も応えない。
俯いたままの彼女は俺を見ようとはしなくて。
もう一度言った方がいいのか…なんて、少しテンパってる俺に。
「はい」
差し出された苺ミルクを見た瞬間。
昔みたいに無邪気な笑顔をする自分に慌てて口許を引き締める。
俯いたままの彼女は。
まるで、あのときの俺みたいで。
今、何を考えてる?
今、どんな顔してる?
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